ブロックウッドパークスクール

 


 

Brockwood Park School

5日目は早朝に宿を出て、ダブリンからロンドンヒースロー空港へ。ヒースローからハンプシャーのブロックウッドパークスクールまで、タクシーで1時間半ばかり。学校が用意してくれたタクシーで学校へ向かう。

この学校はクリシュナムルティーが社会に隷属しない独立した個人を育成するために創設した学校である。真理の探究を通して自由の在り方を説いてきたクリシュナムルティ―が、目覚めた人格を形成するための教育を模索した所でもある。
インドとアメリカとこのイギリスに寄付によって立てられた学校がある。インドには4校ありそのうち2校は7才ー19才あとは3才ー13才と6才ー13才までとなっている。アメリカには1校4才ー17才まで学べる学校があり、イギリスにはこのブロックウッドパークスクールが1校。生徒数は60名程度で14才以上の男女が寄宿制で学んでいる。我家の子供達にクルシュナムルティーの教育を受けさせたいと思い、金銭的に可能だったインドの学校で学ばせたいと考えたが、子供達にまったくその気がなく諦めていた。

私には3人の子供がいるが、今の日本の大学で学ぶより海外に出て、多様な暮らしのあり方を肌で感じることの方がよいだろうと思っていた。しかし上の子二人成一(せいいち)と不二美(ふじみ)は日本の大学で学ぶ事を選んだので、それはそれでいいと思っていた。下の子は陽(よう)という女の子。今、高校3年生。大学に行くつもりで勉強していたが、担任の先生の話しを聞いて、語学留学をしたいと言い出した。海外に行くのなら語学留学ではなくて、英語の勉強を日本でして、何かを学べる学校を選ぶ方がいいと勧めた。
日本のクリシュナムルティーセンターが東京の青山にあり、ホームページで検索するとサイトを公開していた。留学の条件とか費用面の問い合わせをすると、英語を話せること以外難しい事はないということだった。費用の方も10年前に調べたものと大差はなかったので、そのことを家族に相談すると、学校を見てから決めましょうという事になった。そしてアイルランド行きの中にロンドンが加わった。

来て見ると想像以上のものだった。社会に順応することを嫌い、人間社会のあり方を自分の目で偏見なしに見ることや、自然の豊かさ美しさを感受できる能力を重要に考えるクリシュナムルティーは、ある意味で街の暮らしとは別世界の環境を築いていた。古い建物を改装した教室や宿舎はとても贅沢に感じるものだし、広い広い校庭の中に原生林のような大木の林を作っていた。食事は菜食で農園も作っており、生徒も栽培の手伝いをしたりするが強制的なカリキュラムには入ってないそうだ。校舎の傍にバラ園もあり、その時期になるととても素晴らしいそうである。校内を案内してくれたのは日本の大学を卒業して、クリシュナムルティーの教えを学びたくてワーキングステューデントとして働いている、小林順子さんという方。今年の5月までここにいるそうだが、日本語の解かる人がいてくれて助かった。

ロンドンウォータールー駅へ
昼食まで戴き充分見せてもらってロンドンへ向かった。話すことに夢中になり用意していたお土産は渡すのを忘れてしまった。
学校からピーターズフィールドまでタクシーに乗り、そこからロンドンのウォータールー駅へいくつもりだった。ピーターズフィールドで15:15分発の列車を待っていると、列車が入ってきた。行き先を見ようと思ったが表示がないので、間違いないだろうと思ってそれに乗る。ああこれでやっとロンドンだとくつろいでいると、チケットの検札。車掌さんから次の駅だ降りなさいといわれる。ええどうして、とパニックになる。どうも乗り違えたらしい。次の駅で降り、すったもんだの末、ロンドン行きの列車に乗り込む。着く駅がウォータールー駅からパディントン駅?に変わった。そして地下鉄に乗ったりしながら、ロンドンでの宿、ロイヤルナショナルホテルに到着。三つ星のホテルということだった。

top  back  next